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photo by FURUMAYA Shiho

瀧内 貫|TAKIUCHI Toru
デザインディレクター/ローカルコーディネーター

一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブ 共同代表、ミリグラム株式会社 取締役、有限責任事業組合涌出 ディレクター、長野県立大学 非常勤講師、総務省 地域力創造アドバイザー。
地域に根ざし、ブランドデザインや各種広告などのデザインディレクションを手がけるほか、意味と文脈を紡ぎ、地域を編み直すようなローカルアクションをコーディネートするなど、様々な分野の「橋を架ける仕事」として、グラフィックデザイン、コミュニティデザインを基軸としながら活動。単一の仕事に携わるだけでなく、資金調達から、多様なコミュニケーション、複数のプロジェクト企画、アーカイブ活動などを組み合わせた、立体的なディレクションを得意とする。
公私混同、仕事とプライベートの境目なく、長野県とその周辺をぐるぐる。関係人口的に通い続けている地域として、長野県木島平村、長野県根羽村、長野県伊那市などがある。

長野工業高等専門学校 環境都市工学科(土木工学科より改組後の1期生、総合32期)を卒業後、測量設計事務所や、ランドスケープデザインを中心としたデザイン事務所(原田一二三氏に師事)、食品会社の情報システム部門など複数の専門職種を経て、2007年に独立。
2009年、長野県長野市に「株式会社コト社」を設立(2019年に「株式会社コトト」に社名変更し、2023年には約14年の活動を経て創業者である自身が次のステージへ進むためにと法人としての活動終了を宣言した。)し、伝統工芸、観光関連等のグラフィックデザイン事務所としてスタート。同年には、長く使い続けられる生活雑貨や家具を取り扱うカフェ併設店舗を開店(2011年に閉店)した。
2012年には、丸十界隈の賑わいを通じて、篠ノ井(長野県長野市の南部エリア)のまちと暮らしを考える「Clasino Project(クラシノプロジェクト)」の外部ディレクターとして、プロジェクト全体の企画設計や、当地域のエリアリノベーションのさきがけとなる一連の連続改修を監修、地域にいない大学生が場づくりに参加する仕組みづくりにも取り組んだ。同年より、居住場所を問わず地元長野のために自分ができることを考え行動する人たちの集まりである「一般社団法人ヤルダ兄弟舎」に参加。2016年に活動休止するまで、マーケット企画など自主プロジェクトを中心とした活動のほか、長野県小谷村や長野県小諸市など、地域課題を解決するプロジェクトのマネジメントやファシリテートを依頼された。
2013年、Clasino Project内のプロジェクトのひとつとして「しののい まちの教室」を企画、半年間に渡ってまちや暮らしについて学ぶ12授業を開催した。(翌年からはその仕組みや考え方を受け継ぎ、長野県長野市のほか、松本市、塩尻市、諏訪地域など長野県内各地の賛同者と共に「まちの教室」として企画を継続、共催やオーガナイズ依頼などを含め、80近くの授業を開催した。2020年末にて一区切りとする予定を発表するもコロナ下で「集まることのシナジーこそまちの教室である」と開催を見合わせ、2020年12月31日に「未来への手紙」とした授業企画を発表した。)また、長野県松本市にて、一度途絶えた松本みすず細工を復活させようとはじまった「松本みすず細工復活プロジェクト」の外部ディレクターとして、活動の拠点づくり、広報宣伝の仕組みづくりなどにも携わった。このほか、株式会社studio-Lの外部パートナーとしても活動をスタート。参加プロジェクトの自治体や省庁として、長野県木島平村(住民参加で行われた総合振興計画策定ワークショップより立ち上がった、「特定非営利活動法人 地域創生研究所あつまれむらびと」へ参画し、各種プロジェクトに関わり続けている。2017年6月より監事に。)や、長野県筑北村、新潟県妙高市、石川県野々市市、鹿児島県伊仙町、厚生労働省などがある。
2016年、クラウドット株式会社のソーシャルデザイン事業にディレクターとして参加。長野県松本市のコワーキングスペース「KNOWERS MATSUMOTO」等、同社の運営するスペースや付随するサービスのディレクションを担当した。(主な企画として、さまざまな実践者の仕事やその姿勢について話を聞き、参加者同士が語り合うサロン「KNOWERS talk」、地域の課題解決や未来へ行動できる人を増やす実践するコミュニティ「まつもと市民大学」第3期などがある。2017年度にて契約終了。)

2018年以降、「長野県立大学 ソーシャル・イノベーション創出センター(CSI)」にて、大学と地域をつなぐ地域コーディネーター(委嘱第1号)として開学当初から活動した(2022年3月にて離任)ほか、持続可能な地域づくりや新たな循環、価値観の転換をテーマとしたプロジェクトを継続的に立ち上げていく研究所として「30projects lab.」の企画、セクターを越え、「場所」や「企画」を紡ぐマネジメント会社である「ミリグラム株式会社」の共同設立、その土地での暮らしかたや働きかたについて考える学びの場「さとくらしカレッジ」(2019、2020年度は長野県木島平村と長野県木曽町で開催。2021年以降は社会状況を鑑みて開催休止中。)の開校、原則休祝日の朝、YouTubeを使って、打ち合わせなし、結論なしでオンラインで対話する企画「コトトバ」、何かと何かをつなげることで、物事がより良く進んでいく生業「橋を架ける仕事」のオンラインサークル共同主催など。
近年の2022、2023年には、自分らしい生きかた・働きかたを望む人と、長野県内で想いをもって活動する企業をつなぐサービス「ながの人事室」や、構想を形にできるディレクションと、状況を整理し構造化するファシリテーションの能力を持つコーディネーターが所属するドゥタンクである「一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブ」、長野県在住のメンバーで構成する、編集デザインチームであり出版レーベルである「有限責任事業組合涌出」(組織の立ち上げと合わせて、長野県内の各所を訪ね、それぞれのいまと、これからの予兆を綴る、地域探訪誌「涌出 wakiizu」を創刊。)の立ち上げ、「長野県立大学グローバルマネジメント学部」「長野県立大学大学院ソーシャル・イノベーション研究科」の非常勤講師(コミュニティデザインの演習系授業を担当)や、「総務省 地域力創造アドバイザー」の就任など、加速度的に活動を拡大している。

このほか、JR長野駅前で長野県を中心とした地酒や地ワインをグラスで味わえるKAKU.UCHI.を運営し、長野の特産品を世界ブランドへと推し進める地域商社「株式会社acues」クリエイティブディレクター、県立長野図書館3階に「共知・共創」をコンセプトに、開かれた学びの場である図書館における「新しい社会的価値を創造する学びが集うモデル空間」としてつくられた「信州・学び創造ラボ」トレーナー(設置コンセプト、空間検討ワークショップ運営支援から、開設後の運営サポートまでを担当)、長野県飯綱町で、旧三水第二小学校、旧牟礼西小学校を活用して、あらたな町のにぎわいの場所を創出する事業に主に取り組む「カンマッセいいづな」事業企画部ディレクター、先進的・先端的な研究開発に取り組む実践校である、長野県教育委員会 県立高校「未来の学校」構築事業アドバイザー(木曽青峰高等学校)、「青い地球と呼応する経済」のあり方を探究し、各地各様の自然と文化を基底とする経済圏である「Community Based Economy」呼びかけ人(2023年には、すこやかな地域経済をテーマに、21人のゲストやファシリテーターが語り合い、持続可能な社会へ向けた経済活動の実践知を共有し、共感する多様な自治体、企業、市民がつながり合う場として開催した「Community Based Companies Forum NAGANO」を主催)など。
過去にも、信州大学 地域資源リサーチャー(第5回信州イノベーション大賞 選考委員)、信濃町ブランド推進協議会 アドバイザー、ふらっと木曽(ワークセンター木曽町) アドバイザーなど。

2023.10.11 updated